朝晩の冷え込みはまだまだきつく、相変わらずストーブを焚く日々。昼食後ストーブ前で読書をしていると暖かさに包まれ、眠りが寄り添う。いつの間にかイージーチェアに沈み込むこともしばしば。そんな小さな幸せで、日常を満たしたい。

 

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傍には白洲正子の「ひたごころ」。エッセイ集で僕が生まれた頃に書かれたものもあるが、綺麗な言葉で綴られた文章は気持ちがいい。

「文化は日々の生活の中から生まれる。美しいものに毎日ふれていれば、志操もおのずから堅固になり、立居振舞も正されるであろう。」(ひたごころ より)

最近感じていることを書物を通してふれると、自分を肯定されているようでなんだか嬉しい。

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短い昼寝のあとは、すっきりしようとコーヒーを飲むことに。たまたま出かけたときに手に入れたエチオピアのコーヒー豆。袋には、ハイエ・セラシエさん農園とある。勝手に髭面の人を思い浮かべながら豆を挽く。出処がはっきりしているものは、こんな想像する楽しみもあっていいなあと思う。

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夕方必要になる薪を、昼間の暖かい時間に運び込むのが最近の日課。外は明るく、気温も高い。薪のことも忘れて、ふらふら。伸びをしていると、ミツバチの羽音が耳に飛び込んできた。2つある巣箱、無事に越冬できた元気なミツバチを眺め、やれやれといったところ。冬場、餌が足りないといけないと思い、巣の小さな巣箱に砂糖水をやったりしたこともあるけれど、勢いのある群れから横取りにやってきて結局小さな群れをなくしてしまった経験がある。下手に人間が介入すると、そんなことになる。それからは、自然に任せることにした。

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この時期、ミツバチはなぜか白いものに向かってフンをする。近くに置いてある軽トラは、こんなことに。雑巾で拭き取りながら、春の訪れを実感する。足元にはたくさんのフキノトウ。雪もどんどんなくなり、山の斜面も地面が現れてきた。

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こちらは工房に届いた真鍮製の金物。納得できるものを探して、ようやく手に入れた。現在制作中のメイプルのデスクに使うのだが、当初は使う予定はなかった。でも制作しながら、きっとあったら楽しいだろうなと思い使うことに。誰にでも秘密はあっていいし、秘密は楽しい。子供ならなおさらかな。

制作の手を休めて、提案をいくつもまとめた。クライアントのことを考え、手間のかかることを少し加えた美しい家具空間を想像しての提案です。依頼をもらえれば、どれも楽しい仕事になることは確か。どちらのクライアントから依頼をいただけるのか、わくわくしながら待っています。まあ、どこもダメな場合もありますが・・。

ちょうど工房ではKelvin Kernの心地よいピアノが流れている。機械をとめ静寂が訪れたときに、美しい音楽を耳にするとザラついた気持ちが安らぐのを感じる。ずっと音楽を流しているのはそんな理由。家具制作は穏やかな気持ちで臨みたい。最近は無理な依頼は受けない。納品時期が重なってしまう場合には、丁重にお断りすることも。一つ一つを丁寧に制作し、お金や時間の束縛をなくそうとしている。なかなか思うようにはいかないけれど、理想は常に抱いていたい。

春の訪れを感じながら、1日1日を大切に過ごしています。

 

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