桜を眺めながらの散歩で、暑ささえおぼえる日があれば小雪のちらつく肌寒い日もあります。でも、心も体も軽いのは、これからは暖かくなることがわかっているから。陽射しが強くなり気温も上がりだすと、戸外でよく人を見かけるようになりました。挨拶する機会も増え、話しかけられることもしばしば。やはり春はいいですね。

 

 

春。年度替りの時期。いろいろやることが多く、気づけばここ高山でも桜が満開になっているところもあります。今年は1週間から10日ほど早いようで、春の高山祭りは大いに賑わっていることでしょう。さて、しばらくメモしてなかったので、まとめて記録しておきます。

1月に出かけただけになっていた木材市。十分な材料ストックがあるので足が遠のいていたところ、4月の初めに関係者の方から電話をいただき見に行くことに。通い始めて数年経ちますが、見たことなかった大径木(直径48センチ!)のナラが出ていました。時間がなく競りに参加することができないので、値段だけ決めて入札を預けることに。後日、狙ったナラは無事に落札された連絡を受けました。白太の少ない良質なナラ。しかも、地元産。なかなか幸先の良い年度始めです。

IMG_5767

 

桜といえば、工房のある一之宮町には臥龍桜(がりゅうざくら)と呼ばれる有名な桜があります。満開も美しいのですが、七部咲きくらいの赤みが強い時期の方が綺麗だという人もいて、今年はそのタイミングを狙っていました。写真で収めるのもいいですが、やはりスケッチしてみようかと。

IMG_5781

 

でも行ってみたら、既に満開状態でした。スケッチの下手くそな自分としては見られると恥ずかしいので、少し遠くに離れてそっと描いてきました。スケッチは時間がかかるというデメリットがありますが、それ以上に優れたところがあります。まず、自分の目で見て手を動かすので、記憶に留まりやすい。そして何より、描きたくないものは描かなくてもいい点。平日でしたが、桜目当てに来ている方も多く、写真に収めようと思うと人が意外と邪魔になることが多いです。でも、スケッチなら安心。

しかし、メモ代わりだとはいえ、もう少し上手く描きたいなあと思います。桜の花をどう表現すればいいのか、奥行き感を出すにはどうすればいいか。臥龍桜の名前のとおり、龍が臥せているような枝っぷりが特徴なのですが、その特徴がうまく表現できていません。いろいろ学ばなければいけないことが見えてきます。

 

IMG_5776

記録としての写真は優れているが、記憶には残りにくい

 


 

今月末には納品を控えているのですが、その最後のアイテムがソファー。珍しく、総張りのシンプルなもの。そのため、ファブリックの選定には神経を使いました。私のお薦めを2種類提示しながら、サンプル帳をそのままお預けすることに。奥様が美容師さんということもありデザイン・色彩に対する意識は高いので、ご自身でピックアップしてもらってもいいように。さて、どうなりますか。

 

IMG_5782

今回選んだ生地は、素材感を感じられ複数の色の糸が使われているもの。クッションの色合いの選択肢を広げるので、コーディネートしやすくなります。

 


 

そんな制作の合間を縫って息抜きがてらしているのが畑とミツバチの準備。畑には鶏糞を撒き、雑草を抜いたり畝を作ったり。まだ霜の心配があるので、苗は植えることはできません。この辺りだと、5月中旬から下旬ごろになります。それでも、ジャガイモの種芋を店頭で見つけたので、それだけは早速畑に埋めてみました。もしかしたら、早すぎたかもしれませんが、芽が出るにはしばらくかかりそうなので大丈夫だと信じて。ダメなら、来年はまずポットに植えることにします。

 

IMG_3810

 

さて、ミツバチはというと、昨年クマに襲撃されて唯一残った群れが元気に飛び回っています。何度か巣箱の掃除をしていますが、未だに雄蜂は誕生していない様子。雄蜂が確認できればいよいよ巣別れが近いので、少し慌しくなります。キンリョウヘンの花芽も順調ですので、今年は新たな群れを捕獲して増やしたいところ。

 

IMG_3813

近所でもニホンミツバチを飼育していることが少しずつ知られ始め、ハチミツを売って欲しいという声が増えてきました。よく売られている西洋ミツバチのハチミツと違い、ニホンミツバチは集める蜜が少ないため貴重です。しかも、西洋ミツバチは外来種で病気に弱く、養蜂業者さんは薬品を使っているといわれています。しかし、ニホンミツバチは地のものなので病気に強く、薬は一切使っていません。ゆえに、安心安全なハチミツです。

 

IMG_3245

 

全ての方の要望に応えるのはかなり大変ですが、増やして飼育するのは楽しいので、無理のない範囲でハチミツの生産も増やしていこうと計画中。そのために管理のしやすい巣箱を冬の間に制作しておきました。捕獲できたら順次入れてゆきます。

 

IMG_3809

 

家具作りも一緒なのですが、同じようなことを繰り返しているようで、いつも少しずつ違うのが面白いのです。創意工夫のしがいがあり、答えが一つではないので自分らしさが表現できるからでしょうか。

 

IMG_3820

お客様から支給された取っ手です。ナラと真鍮の組み合わせは好きなものの一つ。時とともに黒ずんでゆきますが、古びても美しい。下はオフィスで使っているキャビネット。真鍮削りだしのつまみも、いい感じに変化してきています。やはり身近で長く付き合うものは無垢に限ります。

IMG_3821

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください