今していることは、今のためだけではありません。
納品させていただいてしばらく経ちましたので、お客様のご自宅にお伺いして家具の点検とメンテナンス法をお伝えさせていただきました。ただ制作するだけではなく、無垢材の素晴らしさ、無垢材とどう付き合っていくかをお伝えするのも私の役割です。
(LIXIL system kitchen Richelleを無垢材にてカスタマイズ)
適切な方法でメンテナンスを繰り返した木材は、それは美しく変化します。多くの工業製品が時間とともに美しさを失っていく中、それとは逆の変化をするのです。私の制作した家具の美しさは始まりにすぎず、時間経過とメンテナンスによって、美しさに磨きがかかります。
重要なのは、無垢材が自然素材であると認識すること。自然素材との付き合い方をイメージするには、男性であれば革靴のお手入れ、女性ならばご自身の肌のお手入れでしょうか。
自然素材であることを認識すれば、汚れないようにとかけてしまいがちなビニールはやめておこうだとか、直射日光が長時間あたることも避けた方が良さそうだと想像できるようになります。女性は特にこの感覚が鋭く、認識していただくと様々な気遣いをしていただけるようになります。ご依頼を頂くお客様が揃って皆さん美しいのは、自然素材との付き合い方を感覚的に身につけておられる方が多いからではないかと分析しています。(逆にそういう方が無意識に無垢材の家具を欲しているのではないかと)
メンテナンスというと、” うわー大変 ”と身構えてしまいますが、ゆっくりご自分のペースで大丈夫です。自分とともに年を重ね、メンテナンスしながら長く付き合っていると、将来手放すことなど考えられない家具になってゆきます。それは新品の美しさとは明らかに異なる美しさを纏うからです。もうそうなると、その価値はプライスレス。
ぜひ多くのお客様にこんな体験をしてもらいたいと思っています。K様、ありがとうございました。
K house ( Yokohama )