自然の作り出したラインと人工的なライン。趣の異なる二つのラインは、決して干渉せず引き立て合います。この組み合わせ、嫌いではありません。

 

 

 

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会社経営をされているT様のお宅に、椅子の納品に伺ってきました。テーブルは以前からお持ちのトチの一枚板。自然の美しいラインを活かすには、人工的な曲線を合わせるとお互いを引き立て合い綺麗にまとまります。背の高さを抑えた椅子なので、一枚板の形状がわかりやすいうえ圧迫感を感じさせない効果があります。一枚板はこんな風に使うと、野暮ったくなりません。

一枚板は過去に制作したものを数えても、片手で収まるほど。というのも、作り手としては面白みのない素材です。原木(丸太)で購入して、板を挽き出すところからやるのであれば、どういう表情を出すかという技術も必要になりますが、製材された板を購入してきて表面を平らにして磨くだけであれば、そこに技術と呼べるものは必要ありません。どちらかというと商売っ気の多い方が好んで扱うアイテムなので、余計に敬遠してきたところもあります。

ただ、椅子とセットでご依頼いただけるのであれば、この組み合わせも選択肢の一つに加えても良さそうです。曲線の綺麗な椅子と合わせるテーブルは以下の3パターン。

  1. 同じような曲線を持つテーブル (おとなしくまとまる やりすぎるとくどくなる)
  2. 直線主体のテーブル (椅子が引き立つ)
  3. 自然のラインを持つテーブル (テーブル、椅子ともに引き立つ)

最後どうまとめるかは、他の家具やどういう空間にしたいかを考慮した上で決めることになりますが、このパターン使い方次第ではモダンで上質な空間を作れます。広々とした非日常空間、別荘のようなところには合います。今後の提案に加えていきたいと思います。T様、ありがとうございました。

 

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