切れない刃物ほど危ないものはない。木工をしていると刃物の成形や研ぎをする。初めて研ぐものでも、自分で試行錯誤して切れる状態を見つけ出す。未だに、試行錯誤の日々。理屈を理解すれば、様々なことに応用可能。

工房にはパン切り用の包丁がなかった。バゲットは千切って食べていたが、サンドされていると千切るわけにはいかずパン切り包丁の必要性を感じた。そこで、余分にあった安価な包丁を見よう見まねで成形してみた。ネットで調べると刃を拡大した写真を発見。写真があれば問題なし。両刃だったものを片刃にした後、同じように成形。刃返りをなくせば、そこそこの切れ味。

高山には家具づくりを学ぶ場(木工芸術スクール)があるが、最近は電子制御された機械を使いこなすことも学ぶらしい。メーカーへの就職に有利なようにとの配慮のようであるが、あまりそんなことに力を入れないで欲しいと思う。機械によって仕様は異なるし、そんなことを教えるのはメーカーの仕事だ。

「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」 小泉信三

本当に学ぶべきことは、すぐ役立たないこと。

 

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