春先にモックアップ(試作)を制作し、お客様に了承までいただいていたオーダーチェア。その後は、予定が詰まっていたため、本制作は秋になってしまいました。

 

 

 

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ダイニング用に6脚制作していますが、そろそろ終盤です。面形状をどうするか、少し悩みながら仕上げています。背のトップから肘にかけてラインがつながるのですが、それをシャープに残すのか、少しぼかすのか。仕上げ次第で表情がガラリと変わります。

かつて、異なる工房で製作されたヤコブ・ケアのアームチェアを、2脚並べて見たことがあります。同じデザインのはずなのに、細部の仕上げ方の違いで同じ椅子とは思えないぐらいに違って見えました。ビンテージ家具の世界で工房名まで表記されるのはそれも理由の一つ。まあ、細かいことを言えば、同じ工房内でも、仕上げをする人によって違いは出るはずです。

また別の機会に、ナナ・ディッツェルがデザインしたカウチを試作する機会がありました。ご本人が描かれた図面の青焼きをいただいて制作したのですが、原寸で描かれた図面を見ても、面形状がどうつながるのか詳細な指示はありません。ご本人が存命であれば確認もできるのでしょうが、そうでなければ制作者に委ねられる訳です。後日、その試作を元に、ライセンス製作するメーカーで限定数にて製作されました。

そんな経験をしているので慎重にならざるをえません。もうしばらく向き合いたいと思います。

 

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