身の回りのモノが傷んで買い替える時、手入れをすれば長持ちするものを購入するようにしています。

 

 

無垢材で家具を作り自分でも使い込んでみると、メンテナンスを繰り返すことで美しくなる自然素材の良さを改めて知らされます。メンテナンスして育てるというと一般的に革製品が代表的ですが、無垢材で作られた家具も自然素材なので、それは美しく経年変化します。でも、家具のメンテナンスをしているという方にはほとんどお会いしたことがありません。

 

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というのも、世の中に溢れた多くの家具が塗膜で覆われているので気軽にメンテナンスするという訳にはいかないからです。メンテナンスフリーというものは素人ではメンテナンスできないものであり、結局は傷だらけになった時点で古く傷んだ汚いものと感じられ、それと共に思いも離れ処分されているのが現状です。メンテナンスフリーとは遅かれ早かれ使い捨てられる運命のものと言えそうです。(家具であれば、無垢材のオイル仕上げの家具はメンテナンス可能です)

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ですから、最近は適度な手入れを必要とするものを意識して購入するようにしています。そういうものは皆揃っていい値段ですが、40半ばを過ぎた今、10年20年後に自分と共にいい年の取り方をしたなと感じられるのであれば、その価値は十分あるように感じます。

以下は、古染付けの小皿に関して書かれた文章ですが、何か通じる部分もあるのでメモしておきます。

「触るのも怖いくらい繊細な磁器なのに、「器は使うために作られたんだから」と彼に励まされて食卓に出すと、確かに何倍も料理が美味しいのである。惜しげのない雑器を使う気楽さに弛緩していた神経がピッと張り詰めて、俄然料理に気合が入るし、挙措動作も引き締まり、家でお洒落をする意欲も湧いてくる。そうか、美しいものを持つことは自分磨きになるのだと悟って私のアンティーク蒐集はみるみるエスカレートしていった。」(桐島洋子著「人生はまだ旅の途中」より)

 

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アンティークのように既に古く美しいものを購入するのもいいですが、時間をかけて自分でその美しさを育てることができたらもっといいと感じます。無理することなく、自分の目で吟味したそんな相棒たちを増やしていければと考えています。

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