ご注文いただいた椅子を制作しています。ならい旋盤で後脚の加工をしているところです。

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もともとは断面が四角ものを八角形にした状態でこの機械にセットします(八角形にするのは抵抗を少しでも減らし加工精度を上げるため)。「ならい旋盤」とあるように、奥に加工したい形状に合わせた型がセットしてあり、それに倣って刃物が移動することで様々な形状の丸棒を加工します。一度セットすると同じものを作り続けることができるのが特徴。すでに製造メーカーがなくなっていて、その後同じような機械が作られていないこともあり、かなり貴重な機械になっています。探しても手に入らないが丸棒加工はしたいという同業者は多いため、丸棒加工専業者も存在するほどです。たまたま私は所有しているので自分で加工してしまいますが、一部の知り合いからは加工のみをお願いされることもあります。その際に注意しているのは、どういうパーツであるかを良く聞く事。ストレート以外、セットした時点で材料に方向性が生まれるのでどういう向きでセットするのかが非常に大事になってきます。そしてどの部分の径を一番重視したいのかなど、やはり全体を意識してパーツ加工をしています。自分で最後まで仕上げる事がほとんどなのでこんなことが気になりますが、専業としているところではここまで意識してもらえないこともしばしば。家具作りにおいて建築空間を意識するのと同様で、パーツ加工においても全体を意識することは常に重要なのです。

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